今年は二十年に一度の式年遷宮の年。何年か前から耳にはしていたけれど、式年遷宮の行事内容や意味については知ろうとしていませんでした。伊勢神宮のすべての建物、神殿内の宝物などすべてを新しく作り替え、二十年ごとに神様に新しい神殿にお引っ越ししていただくお祭り。驚いたのは橋や鳥居、敷きつめられている石までもすべて新しくされていたこと。たまたまですが、もっとも瑞々しい瞬間に伊勢神宮を訪れることが出来て、すばらしい時間を過ごさせていただきました。訪れる前はさぞかし古く迫力のある、重く厳かな場所だろうと想像していました。実際に歩いてみた伊勢神宮はさわやかで、軽やかで、瑞々しくて新鮮な場所でした。石や金属ではなく、わざわざ朽ちてゆく木という素材ですべてをつくり、いつも変わらない姿でみずみずしいままに「永遠」をめざす。そんな「常若(とこわか)」という知恵のあるこの国に生まれて、そしてそれをいいなと思える感覚が自分の中にもあることを有り難いなぁと思いました。思っているよりずっと自分達は日本人なんだなぁ。いろんな国の教会や寺院を訪れましたが、一番共感できる美しさ。昔々から存在しながら遺跡ではなく、今なお生き生きと在る伊勢神宮に感動しました。 恵美